割烹食堂いそべ | 日記 | 『ずど～ん』 ＣＭ

『ずど～ん』とは、『頭（ず）丼』。つまり、頭の丼である。「割烹いそべ」の店主・磯部孝行さんが「村上どんぶり合戦」というイベントに合わせて昨年考案したものだ。使用する食材は、上質な国産の本マグロ。佐渡産を中心に、水揚げ状況に応じて宮城産、山形産なども仕入れている。もちろん、普通に身肉を使ってもおいしい丼になるのは間違いないが、それでは安く提供できないし、何より目新しさがない。そこで磯部さんは、頭を使って作ることに決めた。頭は身肉に比べて圧倒的に量が少なく、さばくのにかなりの手間がかかる。それを承知で通常メニューに取り入れ、１日約１０食限定での提供を始めた。胴体から頭に走る４本の筋肉の他、頬肉、顎肉、目の周りの細かい筋肉などを丁寧にさばき、余分なスジをしっかりと取り除く。あとは刺し身に切り分け、ゴハンの上にたっぷり盛り付けて完成だ。見た目は上等なマグロ丼。身はほんのり桜色がかり、各部位が交互に盛り付けられて美しい。食べてみると、特に、柔らかくてうま味豊かな頬肉や、程よく歯応えがあり脂も乗った顎肉は絶品。身肉の味とはまた違ったマグロのおいしさが「ずど～ん」とさく裂する。部位ごとに味わいと食感が異なり、食べ比べる点も楽しい。これだけマグロの希少部位を豪快に使った丼は、新潟県内で類を見ない。マグロ好きを自認する日本人が見逃していた美味が、この丼にはビッシリ詰まっている。　（新潟WEEK！８月２日号　美味しいもの特集）
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